T - Residence

T邸 ( 2018 )


The high-rise apartment is known to be a status symbol for the wealthy, and as demands increase, apartments have been commercialized as generic products and mass marketed as high-end living.  The value of apartments is now driven by the altitude and a perception of privacy and grand views.

The client’s wishes were to challenge what makes his residence valuable and seek alternate ways to add character to the generic home. Although every apartment may seem similar, we have responded by understanding that each unit is unique and further interrogating the context in order to personalize the space.

With such height the view becomes magnificent, but much of what makes Tokyo beautiful disappears below. Therefore, our idea was to draw as much of the context into the residence by carefully crafting a seamless, mirror-like ceiling to reflect the surrounding characters into the space.

The existing features of high-rise constructions also comes with challenges. Massive concrete columns that obstruct opportunities are utilized with storage carefully placed to complement columns locations to reduce its presence, and thick window frames to withstand high winds are concealed with an infinity edge ceiling where the reflection of mullions continues the glazing line infinitely.

The overall minimal finish and light palette is weighed down with a strong accent of ebony timber veneer to harmonize with the reflected colors of Shinjyuku Gyoen.

︎see the essay “Tokyo residence 1”


東京にあるタワーマンションの1戸改修プロジェクトである。

タワーマンションは、東京をはじめ、ロンドンやニューヨークに見られる富裕層向けの居住空間としてよく知られている。多くの場合それはマーケットに対して一般化され、高級風にセットアップされた不動産商品として売り出されている。上層階ほど不動産価値が高く、消費者の欲望と上空におけるプライバシー確保の両方を満たしている。

施主は東京の眺望を一手にするこのロケーションにおいて、一般商品化された居住空間を疑問視し、さらなる価値の向上を求めていた。この建物の中には何百戸と同じような部屋(商品)が詰め込まれているが、実際にはそれぞれの部屋の高さや方角によってキャラクターは様々である。そのようなロケーションの持つ固有性を最大限に引き出して、周辺環境と居住空間をどのようにして関係付けるかが課題となった。つまり、都市の持つエネルギーや魅力をどのように「パーソナライズ」することができるのかということに挑戦した。

このような建物では上層階に行くほど、目の前に広がる景色は下方へと移動していく。そこで私たちは、天井を目地の無いスムースな鏡面仕上げとすることで、周辺の「東京」を生活の中に引き込めるのではないかと考えた。天井自体にテクスチャは一切ないが、そこに映り込むビルの色や照明、新宿御苑の緑などが天井を他のどの仕上げよりもカラフルに彩ってくれる。

居住空間の高層化によって得られる幸福感の反面、弊害も様々だ。専有面積の一部を占める巨大なSRCの柱、上空の強い風圧に耐える為の太い窓枠サッシ、大量生産しやすい化学建材など、タワーマンションを商品としてパッケージ化するためには隠さなくてはいけないものが山ほどある。

ここでは合理的でピュアなプランニングを通してできるだけそれらの要素を排除した。

南側の開口部は柱型に合わせて収納を兼ねた壁面を作り、窓と距離をとることでアルミサッシの存在をかき消している。上下枠の存在を消すために、天井面で見切ることによって景色が果てしなく続いていくように配慮した。

また、壁面はタワーマンションで一般的に使用されている壁紙をあえて使用することで建物の存在に寄り添いつつ、天井をよりコントラストのある面として際立たせている。さらに、クローゼットや居室の扉には大きな面積でエボニー(黒檀)の天然突き板を使用した。このエボニーの持つ重みと深みは部屋の中に重力を生み出し、天井に映り込む東京の景色や新宿御苑の自然と重なり合う。

これらのような小さな仕掛けの積み重ねにより、東京の景色がより強調されて浮かび上がる。不動産商品であるタワーマンションの持つ固有性をパーソナライズし、その価値を飛躍させたプロジェクトである。


︎論考:「東京レジデンス 1」はこちら