House of wind and light

光と風が通る家 ( 2017 )



This is a renovation of a 40-year old apartment in Tokyo.

All rooms had sufficient light and wind from many windows along south and north walls facing wide streets. We converted the three-bedroom apartment into a large open space and let light and wind pass through in order to make the best use of the environment.

In an open plan space, we need to consider how to locate spaces involving privacy including a bathroom and bedrooms and how to provide enough storage spaces. Our solution was to provide a large closet spanning the entire width of the room. 

We removed all partitions and made a large floor area to maintain some "margin" and a sense of spaciousness. Large furniture divides the space according to daily functions and loosely defines a "place" for life, not "rooms".

We focused on how to integrate the large piece of furniture into daily life. Reflective finishes are applied on the surface on which daily scenes are reflected and diffused light is reflected to illuminate the space. Closet doors are slightly angled to create subtle gaps in between so that the impression changes according to the viewing angle.

The ceiling and walls are left as they are. Instead of applying new finishes, lace curtains hung along the entire width of the walls serve as new "finishes" creating vivid contrasts with the existing walls.

Delicate qualities of details and finishes stand out and a unique feeling of tension between the old and new is generated by keeping the existing state.


︎see the essay: “Furure housing”



都心にある集合住宅の1戸改修プロジェクトである。

当物件は築40年ほどの、日本における典型的な核家族向け3LDKの間取り構成であった。



現地調査では、東西にわたって多数配置されている窓から終日どの部屋にも心地の良い光が差し込むことがわかった。また、両側の接道幅員が大きいことで、風がよく吹き込むような環境であることもわかった。

そこで、変形形状で部屋がとりにくいことを逆手に取りつつ、既存の両面採光を生かしたものにするために、小さく分節された間取りから大きなワンルームへと改修し、光と風が通る家にしようと考えた。



居住空間をワンルームにすることで起こりがちな問題のうちの一つに、水まわりや寝室といった生活拠点の場所をどのように作るかということがある。また、都内の狭小住宅で不足しがちな生活機能のための収納をどれくらい確保できるかということも居住性に大きく関わる課題である。そこで、それぞれ収納するものによって奥行きが異なるクローゼットを部屋全体にわたって設え、収納物固有の場所を作りながらそれ自体が生活機能に合わせて変形していくようにすることで、これらの問題を解決できるのではないかと考えた。



この空間で行なっている操作はいたってシンプルである。場所を決めすぎないようにできるだけ広々とした「余白」を感じる状態を保つように心がけた。既存間仕切り全てを解体し、ワンルームを象徴するような大きな面積で床を設える。大きな収納と大きなキッチンによって空間を仕切ることなく機能的なスペースを分節させることで、「部屋」ではなく「場所」を緩やかに定義している。



一方で、素材、反射、家具の寸法・配置については細かくスタディを重ね、自然光と風を部屋中で感じられるように、慎重に設計を進めていった。一つ間違えれば障害になりかねない大きな家具を、どのように暮らしに馴染ませ優しく見せるか。それを解決するために、家具には素材を生かした鏡面加工を施し、各所に散りばめられた植栽や、家具、振る舞いといった暮らしの風景を映り込ませながら、光を空間全体に拡散させるようにした事で既存環境との一体感を生み出している。収納扉同士は意図的に段差が生まれるように組まれており、部屋の中でも見る角度によって徐々に表情が変わるようになっている。



躯体である天井や壁は、吹き付け塗装をしてあったところや、下地が貼ってあったところ、壁がたっていた場所などが、そのままの姿でそこに残っている。「貼る」ことや「塗る」ことをせず、光と風を受けて空間に動きが生まれるレースのカーテンを壁面全面に「仕上げ」として採用することで、年代物の躯体壁をポジティブにとらえている。

また、そういった既存の状態を残すことで、新旧の切り分けがより明確になる。取り合いが象徴的になることで、新設部分のディテールや仕上げの繊細な美しさが際立ち、改修特有の緊張感が生まれるのではないかと考えている。また、改修前の状態がダイアグラムのようにして受け継がれていくようなことも、改修計画における醍醐味のひとつである。


︎論考:「未来の家」はこちら